設備総合効率(OEE)とは
設備総合効率(OEE:Overall Equipment Effectiveness)は、設備を動かす予定だった時間のうち、どれだけが「良品を本来の速さでつくる時間」に使われたかを表す指標です。TPM(全員参加の生産保全)の中心的な指標として、日本の製造現場で広く使われています。
計算式
- 負荷時間 = 操業時間 − 計画停止時間
- 稼働時間 = 負荷時間 − 停止ロス時間
- 時間稼働率 = 稼働時間 ÷ 負荷時間
- 性能稼働率 =(基準サイクルタイム × 生産数)÷ 稼働時間
- 良品率 = 良品数 ÷ 生産数
- 設備総合効率 = 時間稼働率 × 性能稼働率 × 良品率
3つの率を掛け合わせると、結局「基準サイクルタイム × 良品数 ÷ 負荷時間」、つまり負荷時間のうち価値を生んだ時間の割合になります。
計算例
操業時間480分、計画停止60分、停止ロス50分、基準サイクルタイム30秒、生産数650個、良品数630個の場合:
- 負荷時間 = 480 − 60 = 420分、稼働時間 = 420 − 50 = 370分
- 時間稼働率 = 370 ÷ 420 ≒ 88.1%
- 性能稼働率 = 30秒 × 650個 ÷ 60 = 325分 → 325 ÷ 370 ≒ 87.8%
- 良品率 = 630 ÷ 650 ≒ 96.9%
- 設備総合効率 ≒ 88.1% × 87.8% × 96.9% ≒ 75.0%(= 30秒 × 630個 ÷ 60 ÷ 420分)
ロスの見方と改善の順番
OEEの数字そのものより、3つの率のうちどれが低いかを見るのが改善の近道です。
- 時間稼働率が低い:故障や段取り替え、調整で止まっている時間が長い状態です。停止の理由別に時間を記録すると、手を付ける順番が決まります。
- 性能稼働率が低い:チョコ停(短い停止)や空転、速度低下が多い状態です。記録に残りにくいロスなので、まず基準サイクルタイムとの差を数字で見ることが出発点になります。
- 良品率が低い:不良や手直し、立ち上がり時の不良が多い状態です。工程ごとの不良は歩留まり・直行率の計算で整理できます。
「何%なら合格」という決まった基準はありません。設備や業種で大きく違うため、同じ設備の推移を追い、改善の前後で比べる使い方がおすすめです。
注意点
- 基準サイクルタイムには、その設備の本来の能力(設計値や最速の実績)を使います。実際の平均値を入れると性能稼働率が高く出すぎます。
- 性能稼働率が100%を超えた場合は、基準サイクルタイムの設定か生産数の集計を見直してください。
- 計画停止に何を含めるかは職場によって違います。比較するときは定義をそろえてください。